2012年5月23日水曜日

Every russian schoolboy knows

昔からロシア人、ロシアの文化(音楽・文学)には惹かれるところがあった。共産主義・社会主義という文脈ではなく、ロシア・ロシア人の不合理さというものに興味がずっとあった。ロシアをもっと知りたいと思う一番のきっかけはドストエフスキーだと思う。高校生のころに、ドストエフスキーにはまりこんだ。よりによって、「悪霊」という強烈な作品がはじめて読んだ作品だった。 ドストエフスキーのおかげで(せいで)、ロシア人は不合理な連中だという印象が根付き、同時に欧米にはない不思議な魅力を感じた。音楽でも、神秘主義なんていう怪しげな思想にとり憑かれたスクリャービンの音楽も、思想に興味はなくとも高校~大学時代には相当はまりこんだ。

 そんなこんなでロシアには愛着というか妙に惹かれるところがあった(好きというわけでもないが)。 以前のような音楽や文学に対する熱中も薄れ、ロシアとの関わりもだいぶ希薄になってきていた。しかし、チェスをするようになって、またロシア人がちらほら目につく。実際、ロシアはチェスでは世界一のようだ。
 ロシアが世界一の分野なんてそうそうなく、なぜチェスでこれほど強くなったのかということは興味がある。ロシア人の伝説的なプレイヤーといえば、ボトヴィニク、タリ、ペトロシアン、カスパロフ、カルポフなどが思い浮かぶ、なぜこうも世界チャンピオンがロシアという国から出てきたのか。 
 標題は、ICCにあるAlex Yermolinskyのビデオ講座の名前だ。 ロシアでは、ソヴィエト時代を通じて、Russian Schoolというチェスの一派が形成されたようだ。 ボトヴィニクがその形を整えたというレベルの知識はあるが、それ以上は知らない。
 幸い、Russian Schoolとは何だったのかということについて述べている本もいくつか存在するようだ。一番大部なものとしては、Andrew SoltisのSoviet Chessという本がある。他にも、Genna Sosonkoによる一連の作品(Russian Silhouettes等)がある。Soviet Chessはハードカバーでかなり高い本だが、読んでみたい。

 チェスも他の多くのボードゲームと同じで歴史も長い。特に、チェスの場合、関わった人間が他のゲームに比べて圧倒的に多いだろう。その過程での人々との関わり、チェスがどのようにとらえられたのか、そういったことにも興味がある。単純な好奇心として、そういったチェスの一面も学んでみたい。


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