2012年6月23日土曜日

good bye chess

実生活の都合により、しばらくチェスから離れることにしました。ですので、このブログも事実上しばらく休止ということになります。短い間でしたがありがとうございました。いつ復帰することになるかはわからないですが、また復帰したときにはよろしくお願いします。

2012年6月20日水曜日

チェス本二つ

1.What it takes to become a chessmaster
 What it takes to become a chess masterは、発売日に買っていたが、放置していた。今日思い立って電車の中でチャプター1だけ読んだ。チャプター1に限って言えば、Studying Chess Made Easyと似たような書き方で、書いてあることも似ているかもしれない。 内容は、「あるポジションにおいて最も重要な要素を見極められるか否かがアマチュアとマスターの大きな違いの一つである」というものだ。

 原則、指針となるストラテジーの要素等、考慮すべき要素はたくさんある。しかし、多くの場合、そういった原則は互いに抵触しあったり、干渉しあったりする。そのような雑多な要素の中から、何が一番重要な要素なのか、そしてそれをどのように扱うべきか、といった内容について具体的にゲームを参照して論じる。 Soltisは書き方もうまいしわかりやすいので、分かった気になる。 ホウホウ?!となるにはなるが、いかんせん今の私にとってはレベルが高すぎると感じた。

 そもそも、チャプター1の内容としても、て一定程度のPositional Evaluationの能力があるということを前提としている。そして、このチャプターにしても、そのようなEvaluationの能力を洗練させることに主眼があると思う。 したがって、そもそもストラテジーに疎く、アウトポストハッケン、ポーンガジャマデビショップガウゴケナイ程度の「観察」しかできないレベルの私にとっては、まだ手にとるのが時期尚早だろう。 ある程度ストラテジーの理解も深まり、それでもまた壁にぶつかった人が読んだらホウホウ!!となれる本なのかもしれない。

 「多くのプレイヤーは、ブランダーをしなくなるだけでレーティング1900程度に到達する」、「2200の壁を破るには、何が重要であるかの優先順位の感覚を洗練させなければならない」といった記述があることからしても、対象者は1900~あたりなのかもしれない。 しばらく本棚の肥やしになりそうだ。

2.Best Lessons of a Chess Coach
 Amazonでもやたら評判が良く気になっていたBest lessons of a chess coachを買った。これまた一章だけ読んだ。 確かに、これはわかりやすい。評判が良いのも納得できる。 本のスタイルとしては、特定のゲームを題材にポイント毎にコーチの質問に対して生徒が回答するというスタイルをとる。 また、要所要所でストラテジーに関するTipsが述べられる。

 第一章は、ナイトとアウトポストについて。 スミスロフのゲームが題材として用いられる。このゲームは、Back to basics Strategyでも用いられていたので、知っていたが、アウトポストの学習には最適だと感じる。 ナイトが中心に位置しボードを支配するといかに強力な駒になるかがわかる。
ゲームの最後に、本ゲームの重要ポイント及び本文中で述べられたTipsがまとめて表示されている。 このように学習の便宜が図られており読みやすい。

 また個人的には、各章の末尾に学習の補完としてゲームが数局別途収録されているのも良かった。 どれも並べてみたが、アウトポストの重要性がわかるゲームがうまいこと選ばれていて、駒を並べるだけで面白い。

 タメになるということはもちろんだが、Back to Basics Strategyと同じく読んでいるだけで楽しくなれる本だ。 早く読み終わりたい。

※Best lessons of a chess coach 収録ゲーム↓

2012年6月19日火曜日

ハロー タクヤァ!

ICCでやっていたゲームで、結局何をやっていいのかわからないまま負けたゲームがあった。 試合中もよくわからなかったが、見なおしていてもよくわからなかった。 ミドルゲームから段々意味不明になってきていた。 最後は、心HPが減少し、ブランダーでぐちゃぐちゃに終わった。  ということで、試しに、Chess.comにいるコーチに、ゲーム分析を一回頼んでみることにした。 イタリア人コーチで、一回8$というのがあったので、それでお願いしてみた。(5回だったら、25$に割引)。 ゲームの棋譜を送って、解説をつけて送り返してくれるというものだ。

 三日前ぐらいにたのんでいたので、今日ゲームが送り返されてきた。 解説は棋譜にコメント+ビデオによる解説。再生するなり「ハロー タクヤァ!」と元気一杯の声。 彼女がイタリア人なので、イタリア人と関わることが多かったため懐かしい気さえするが、典型的なイタリア人英語だ。 母音がボインボインしたスタンダードイタリア人英語。 でも、こういう英語の方が日本人にはわかりやすいのだ。

 で、肝心の解説の方は10分ほどのビデオ解説がメインなのだが、わかり易かった。 このゲームでは、はじめて、シシリアンのRichter-Rauzer Atackを試したゲームだった。したがって、よく何をやったら良いかわからなかったが、「このオープニングでは、こういう手がよくあるし重要なんだ」という形で、アイデアも説明してくれる。 他にも、このゲームのポイントは・・・というように、わかりやすくまとめもしてくれている。 総じて、良かった。

 コーチに教えてもらう意義は、自分では気づかない欠点の是正にあると思う。その意味でゲームの分析というのが一番直截な方法であると思う。そう考えると、コーチのレッスンなんか受けなくとも、こうやってゲームの分析をしてもらうということをしてもらうだけで十分じゃないかという気がしてきた。
5ゲームで25$(2000円程度)だったら安いし、上級プレイヤーの分析に触れる良い機会になるのではないかと思う。




 
 
 運動会で使われて良いレベルの元気一杯の曲。別名「Youth Concerto」。

2012年6月16日土曜日

レッスン1 + チェスプラン

1.レッスン
今日はレッスンがあった。実は前回に一度だけあったのだが、そのときにはトレーニングゲームを行い、今日はそのゲームの分析ということになった。 レッスンの内容としては、特に不満がなかったが、いかんせんレッスンのテンポが遅すぎたので若干イライラした。 レッスンの最後に、今日のレッスンは勉強になるところも多かったけれどちょっとテンポが遅すぎる、ダラダラやってもあまり意味を感じないし時間の無駄に感じる、次はもっとテンポよくやってほしい、と要望を出したら、次からはもっと早くやるということになった。 ゆっくりやった方がわかりやすいという意図だったみたいのだけれど、ダラダラやっているようじゃ何のためにレッスンを受けているのかわからない。

2.チェスプラン
前回の記事でこれからのチェス学習をどのようにすべきかについての自分の考えを書くといったので、以下で述べる。 ポイントは、できるだけ要素に分けて強化すること、無駄を減らすこと、にある。

(1)タクティクス
ア 総論
一般的にレーティング1500未満あたりのプレイヤーがなすべきこととして最も強調されるのはタクティクスの学習だ。例えば、その極北として、Michael De La Maza(DLM)の方法がある。DLMは、その著書Rapid Chess Improvementの中でタクティクス至上主義の学習方法を提案する。主張としては単純で、「私はタクティクスの学習『だけ』でUSCFレーティング2000まで行きました。ストラテジーなんて勉強する必要ありません。」という本だ。その方法としては、Convekta(ChessOK)から発売されているタクティクスが約1000問収録されているソフトCT-ART 3.0(現在は、4.0)を7週やったというものだ。

  この方法は単純で、それゆえに魅力的で追従者たちも多かったようだ。しかし、実際には、MDLMと同じような急成長を遂げた人は現れなかったようだし、批判も多い。(追記:http://empiricalrabbit.blogspot.jp/2012/06/michael-de-la-maza-verdict.html この記事の中で、MDLMの記録はおかしい、コンピューターを使ったチートをしていた疑いがある、と書かれている。確かに怪しい・・・)

ただ、一般的に言って、これほど極端な形を取らずとも、タクティクスの学習が重要であるということは、確かだろう。実際、マスターのゲームですら多くのゲームが結局はタクティカル・エラーで勝敗が決せられることが多く、それ以下のレベルのゲームだったら、ほとんど全てが結果的にはブランダーによって勝敗が決せられる。
一般に、タクティクスが決まれば、後は自分がミスさえなければ勝つことができる。 ポーン一個をとれただけでも、それを最後まで維持できれば勝つ可能性は非常に高くなる。ピース得すれば、なおさらだ。 

タクティクスにはアタックの側面もあるが、ディフェンスの側面もある。Dan Heismanは、A guide to Chess Improvementの中で、このことを強調する。そして、概して、初心者は、タダ取りであったり、タクティクスに対して脆弱であったりと、安全面が非常に弱いと指摘する。確かに、自分の番でタクティクスを見逃しても負けは確定しないが、相手に決められたらたいてい終わってしまう。
以上からしても、勝敗がタクティクスで決せられるのが現実である以上、タクティクスの学習は必須だいうことは明らかだ。

イ パターン認識
具体的な学習方法としては、ひたすら問題を解きまくる、難しい問題を解く、などいろいろな方法があ るだろうが、私が一番納得できるのは、基礎的なタクティクスのパターンをできるだけストックするというものだ。 これはアタックの側面よりも、ディフェンスの側面においてより資すると思う。要するに、ブランダーをしないという点に主眼がある。 
実際、多くのゲームにおいて、非常に単純なタクティクスの見落としで勝敗が決せられる。 10手のコンビネーションで勝負が決まりましたなんていうゲームは、少なくとも私のレベルではほとんどない。反対に、初学者の段階で難しい問題を解いても効果は薄いのではないかと思う。

そういう意味で、最初は基礎的なタクティクスをパターンとして覚えてしまう、ということが重要なのではないか。 簡単なタクティクスの問題集を、ほとんど覚えてしまうというレベルまでやりこむということが一番単純で効果的な方法に思える。 そのためには反復練習が必要で、この意味においてはMDLMの方法論も合理的だと思う。 例えば、Dan Heismanは簡単なタクティクスの問題集を各問10秒以内で解けるぐらいになるまでやるべきだと主張する。 もっと突き詰めた方法でやっている例としては、Empirical Rabbitの一連の「実験」が興味深い。

初歩的タクティクスのパターン認識強化用のためには、大体以下の順序でタクティクスの問題をこなしていこうかと考えている。

Chess Tactics for Students
The Chess Tactics Workbook
Chess Tactics for Champions
Back to Basics : Tactics
Learn Chess Tactics

ウ 高度なタクティクス・コンビネーションの学習

これらの基礎的なパターンをストックできたら、はじめて難しい問題の演習も行うべきなのではないかと思う。 そして、仮にそういった問題演習を行うにしても、できるだけ思考を体系化したい。 闇雲に読むというのではなく、どういった条件でこのタクティクスは発生しやすいのか、といったことを分析して理解できた方が高度のタクティクスも解きやすいと思うからだ。 

この点について、Understand Chess Tacticsは興味深い。 大体一読はしたが(私が持っているのは旧版)、fork, discovered attack, removing the guardといったタクティクスについて、どのように考えるべきか、どのようにすれば発見しやすくなるのか、といったことについての分析が述べられている。 この本の著者自身、25歳でチェスをはじめてFMになったという経歴を有している
このように、強制手順をより深く読んでいくという学習は、簡単なパターン認識に特化した学習とは別立てして学習するのが合理的ではないかと思う。




(2)ストラテジー
ア パターン認識の重要性
ストラテジーの学習に関しては、正直なところ、自分がほとんどわからない分野であるため自信はあまりない。 しかし、ストラテジーの領域に関しても、パターン認識を中心とした学習が一番効率が良いのではないかと思う。

パッハマンのストラテジーの本の目次なんかを見ると、ストラテジーの要素がずらっと並べてある。確かに、総論的にストラテジーの理論を学習することは重要だろうし、学習しなければならないと思う。 概念と把握していれば、実戦で使える思考のツールとなるからだ。 しかし、一般的に学習全般に言えることだが、大理論を把握していたとしても、それを実際にどのように適用するのかという、理論と自分の技術の架橋ができなければ、効果は薄い。 Principle of two weaknesses, weak colors, opposite color bishops, なんて言葉では知っていても、それを実戦で使えなければ意味が無い。

この架橋、すなわち、理論の実戦の場における適用例を学ぶという意味で、パターン認識の学習は必須なのではないだろうか。 具体的には、マスターのゲームによる棋譜集を参考にするという形をとる。 そして、仮にパターン認識に特化して学習するとなれば、単に棋譜を並べるだけでなく、各ゲームの、ストラテジー的に重要なクリティカル・モーメントをポジションとして保存していくという形をとるのが理想的ではないかと思う。
そして、これをタクティクスの学習と同じように、反復してパターンとして覚えてしまう。 Fritz又はChessbaseにポジションをわかりやすい方法で保存するという方法を私は考えている。 Chessbaseだと、Chessbase社の電子書籍のように、ソフト上でノートも作れる

こういった方法については、完全に同じ趣旨ではないかもしれないが、Studying Chess Made Easyにおいても述べられている。また、ポルガー姉妹の父親著のMiddlegamesなどもその副産物のように思われる。 さらに、棋譜を学習する意義はパターン認識にあるということは、IM Jeremy Silmanも同様のことを述べている。(追記:Improve your Chess Nowにおいても、ほとんど同じ学習方法を推奨していた。)

イ 具体的方法
  以上から、ストラテジーを学習するにあたっては、①ストラテジーの要素の概念の把握②パターン認識ということを意識してやるべきなのではないだろうかと思う。 そして、②を重点的に意識して行う。漫然と棋譜を並べるのではなく、目的を明確化する。 ポジションストックもしておけば、仮に学習時間が少なくとも、後から復習もしやすい。

①については、Modern Chess Strategy, Simple Chessなどが良いかと思っている。 ②については、棋譜集というのは大量にあるから好みになるだろう。 例えば、Dan Heismanのページでは、オススメの本が掲載されているから、参考になるかもしれない。

(3)オープニング
初学者のオープニング学習の意義については、考えるところを以前述べたので省略する。しかしながら、たとえオープニングは極力勉強しないとしても、全くやらないのも問題なのではないかと思う。 具体的には、ずっと明らかにミスの手順を每ゲーム繰り返すなんていうのはナンセンスだろう。 したがって、オープニングの矯正にとどまるレベルであれば、オープニング学習も意義があると思う。

具体的には、ゲームの見直しの際に、オープニングについても変な手を打っているならば、それを本等を参照して、その度に修正する。 このためにも、自分がプレイするオープニングの本はそろえておいて、ゲーム毎に個別に参照していくのは良いだろう。こうすれば、自分の実力に応じて、徐々にオープニングも向上するのではないかと思う。

(4)自分のゲームの見直し
ゲーム分析も、多くのプレイヤー・コーチにその重要性が指摘されている。 私が考えるゲームの見直しの方法は以前に述べたので省略する。しかし、ゲーム分析にしても、実際にそのゲームから学んだことを次にいかせなければ意味がない。 その意味で、個別にノートなどをつくって、各ゲームから学んだことを記していく、そしてそれを定期的にチェックしていくということぐらいのことはしても良いかもしれないと思う。

(5)終わりに
ざっと書いてみて、今まで書いたことと重複することばかりになったが、整理するとこのような感じになる。 具体的な学習時間としては、タクティクス>ゲーム分析>ストラテジー>オープニング、ということになるだろうか。 やはり、タクティクスが最優先課題であろうことは変わらないからだ。
いずれの学習にしても、タクティクス・ストラテジーにおいてはパターン認識がメイン、というように、後に「残る」を念頭に置いている。 本を読んだのに、結局全て忘れて何も残らなかった、というような学習は避けたい。 単なる時間の無駄だからだ。 パターン認識を主眼として学習を行えば、そういった無駄をできるだけ少なくできるのではないかと思う。


参考資料
学習プランを考える上で、本文中に述べた以外のもので参考にしたもの及び有益と思ったもの。

Internet Chess Learning Centre
GMによる、若干うさんくさいチェス通信教育のサイトだが、学習方法指南の項は示唆的。

Tom Rowan's Articles
Tom Rowanなるチェスコーチによる、雑誌寄稿記事の抜粋。マスターのゲームの学習方法についての考えが示されており、興味深い。

The Cognitive Psychology of Chess
認知心理学からのチェスの分析についての簡単な啓蒙記事

The Path to Improvement
ChessVilleにある、初心者向けの、学習方法指南記事。

What is more important, the strategy or the tactics?
Modern methods for training a chess player.
一時、Convektaのソフトで学習プランを立てようかと思っていたときに参考にした記事。ロシア人トレーナーによる、Convektaのプログラムを使ったGM養成の過程を述べた記事。

Moving up the Ladder: A Class Player on Gaining 200 Rating Points
半年でレーティングを1700→1900と向上させた人の体験談。

Analyzing Chess Games
自分のゲームの分析方法についての考え。


2012年6月15日金曜日

たかがチェスされどチェス・・・

チェスを始めたのが去年の9月ぐらい。思えば、それ以来えらくチェスにははまってしまったものだ。それから結構たくさんの本も買ったし、インターネット上でもチェス関連の情報も相当に調べた。初期の頃は、チェス本そのものにはまった。

 今までボードゲームをまともにしたことがなかったし、そもそもたかが盤上遊戯、真剣にやるものではないと思っていた。だからこそ、チェスの本が大量にあることを知り、こんな書くことがあるんだ、きっと奥深いんだろう、と驚いた。

 その過程で、Amazon.comのチェス本を出版年ごとに並べて片っ端から本の評判を調べる(他にも、chessville, jeremysilman.com等書評サイト含む)なんていうパラノイア的マジキチ奇行までやった。 おかげで、大概の本は読んでもいないくせに大体の評判と表紙が思い浮かぶという何の意味もない副産物が生まれた。こういう無駄なところに記憶力がある。(そして、実際無駄である。) もちろん、当初の目的は、良い本を探そうということだったのだが、段々と出版されていて情報が手に入れられるすべての本が大体どんなものなのか知りたいという意味不明な願望に変わっていった。

 そもそも昔からはまりやすい体質で、その対象が鉱物であったり、手品であったり、ピアノであったり(というより楽譜収集)、文学であったりしたが、どれも徹底的に調べてやらないと気が済まない体質だ。 ただ、今までの傾向からいって、飽きるときにはすぐに飽きてしまう。続いているのはピアノぐらいだ。そして、多くの場合、無駄に周辺知識はあるのに実技はダメという、非常に典型的なダメアマチュアで終わってしまっている。ピアノにしても、かなりマニアックな知識はあると自分でも思うが、実際の腕前の方はラッパムシレベルだ。

 こんなことを思うと、チェスもまた半端なままで終わってしまいそうな予感がする。 それも、突然他に興味あることができて「あ、チェスつまんね」と一瞬で切り捨ててしまいそうな気が自分でもしてしまう。そして、このブログも更新日がある日を境に途絶え、むなしい廃墟ブログとなるのだろう。 そうなる前に、もう少しはうまくなりたい。

 現在のレーティングは、chess.comのStandardでレーティングが1450前後、ICCのStandardで1600前後。ICCの方はまだ15戦ぐらいしかしていないから、大体1500ぐらいかという感じがする。 いろいろ見て回っていると、1400~1600前後で停滞して、そのままそのゾーンから脱出していない人が非常に多い。 1600~1800までは一定数がいるものの、1800~とかになってくると途端に減る。 したがって、私も、志半ばで朽ち果てたアマチュア・チェスプレイヤーたちの死屍累々第一ゾーンにさしかかってきているというわけである。(1800ぐらいが第二ゾーンか)

 以前にも書いたが、実際自分の感覚としても、1500以上を超えてさらに1600、1800、2000と上のレベルに行こうとなると、ある程度ちゃんと真面目に勉強しないといけないんだろうと思う。 特に、私の場合、既におっさんと呼ばれる年齢にさしかかってきているので、なおさらだ。 おっさんの場合子供のようにがむしゃらにひたすらやって成長するということは、まずないのだ。そもそも時間的に厳しい。

 ということで、どうせチェスをやるのならもっと考えてやっていこうと思う。 具体的には、できるだけ無駄なことを極力避けるようにしたい。ゲームをするにしても、ハイカチマシタヤッターで終わらせるのじゃなくて、次につながるようにしたい。 本を読むにしても、フムフム、ナカナカヨイホンダッタ、デハネヨウで終わらせるのではなく、実際に学んだことを実際のゲームで適用できるようにしたい。 イメージとしては、自分がすること全てがしっかりと有機的に実力の向上につながるようにしたい。

じゃあ、具体的にどうするのかという話は、これからおいおい自分の考えを書いていきたいと思う。



2012年6月14日木曜日

学習能力ゼロ

先日の記事で、B+N+K vs Kのゲームを紹介したが、またしても同じエンドゲームに出くわした。今度こそはと思ったが、またドローになった。 今度はchess.comの15m10sのゲームで時間が短かったということもあったが、以前と同じように闇雲に駒を動かして、結局隅に追い詰められず終了。

 そもそも、B+N+K vs Kのエンドゲームなんて突入しない方が賢明なのだが、最後の最後で馬鹿なブランダーをしてしまい、ポーンを失った。 相手としては、「どうせこいつはB+N+K vs Kのエンドゲームでメイトできないだろう」と思ったのか、ビショップをサクリファイスしてB+N+K vs Kに突入してしまった。 相手の見立ては正しかったわけだ。
ちなみに、B+N+K vs Kのエンドゲームの発生可能性は、大体5000分の1らしい。 今回のゲームではそもそも私のミスでこのエンドゲームに至ったのだが、それにしても運が良いのか悪いのか・・・

 さすがに、三回目もまたドローでした、となったら馬鹿みたいなので、次こそはメイトできるようにしたい。面白くもなんともないが、B+N+K vs Kの練習もしておこうと思う。 とはいっても、このゲームでいえば、79手目から最短でも23手でメイトというのだから、いくら勉強してもできる気がしない・・・







 この曲は最高にヒステリックなイメージがある。 ピアノ編曲があったら弾いてみたいと思ってみたら、IMSLPに4手のための連弾編曲があった。なんでも編曲してあるもんだ。 難しそうだけど、多重録音でもして挑戦してみようか。本当は人と合わせてやったら楽しいだろうけど、そんな相手はいない・・・

2012年6月11日月曜日

ナイドルフ!ドラゴン!カン! カン  カン・・・

暇のときや風呂でFCOを眺めることが多い。これが結構面白い。へーこんなオープニングがあるんだという気持ちもあるが、それと同じぐらいかそれ以上に、オープニングの名前はかっこいいのが多く見ているだけで楽しくなる。 Sicilian Najdorf! Sicilian Kalashnikov! Yugoslav Attack!! French Winawer! Richter-Rauzer Attack! Noteboom! Panov Botvinnik Attack! ! Rossolimo! などなど、無駄にかっこいいというか想像力をかきたてるような名前が多い。  まあ、言ったらウィンドウ・ショッピングをしているような楽しみを味わえるのだ。

ナイドルフなんていかにも強そうで、ゼルダの伝説に出てくるガノンドルフじゃないけれど、とりあえずやばくて強そうなのである。Winawerにしても、そもそもどう発音するんだ!ウィナワー?ワイナワー? と、名前から摩訶不思議で、Poisoned Pawn Variationなんていう決して初心者が手出しをしてはいけなさそうな怪しい匂いがプンプンするヴァリエーションも存在する。 Yugoslav Attackなんて、ユーゴ紛争と結びつけてなぜか空爆なんていう言葉が思い浮かぶ。

例えば私の場合、チェスをはじめたての頃、ナイドルフって何だと思い検索したときに、CHESSBASEから発売されているカスパロフによるナイドルフ解説DVDの画像に出くわした。カスパロフは結構怖い顔しているが、このDVDのパッケージがこれまた凶悪で、ナイドルフはヨクワカラナイケドやばいオープニングだ・・・という印象が強く残ってしまった。 そして、へへーナイドルフ様ぁ、ありがてぇありがてぇ・・・となってしまう。

このシリーズ


頻繁にチェスコーチたちは、「君らポンコツどもはタクティクスや基礎的なストラテジーをまず学習しろ!オープニングばっかりやっているやつは上達しない!」などと口泡を飛ばすが、オープニングの学習が大好きな人は、こういう単純に子供的な(馬鹿にしているのではなくて)「かっこいい!」「やばそう!」とかいう動機もあるんじゃないかと思う(知らんけど)。 実際、私自身、ナイドルフで理論武装してみてーなんて思ってしまう。その裏には、「ナイドルフって(名前が)なんかカッコよさそう」ぐらいの理由しかない。

そんなこんなでオープニングにはかっこいい名前のものが多い。それがオープニング学習を魅力的なものに見えさせてしまう(勝手な想像)。 しかし、一方で、微妙な名前のオープニングもある。 これに関連して、Sicilian Kan variationについて調べているときに、笑える掲示板記事があった。「シシリアンのカンって何で人気ないんですか?」という質問に対する回答なのだが、これを読んで、一人パソコンの前で笑ってしまった。  暇な人は見てみてください。

Why Sicilian Kan is not as popular as Najdorf or Scheveningen?

2012年6月10日日曜日

4時間

今日は蛍を見に行った。終わってから少し飲んで、チェスでもやろうかとICCをつけた。珍しくロングゲームを募集している人を見つけたので、何の考えもなしにクリック。 時間を見たら、90分30秒・・・しまった・・・。 ゲーム開始時間が10時だったので、結局、最後までお互いに時間をギリギリに使ったので2時までやるハメになってしまった。

 結果としてはドロー。今までの対戦相手の中では最高レーティングだ。 最後の最後でもうひと踏ん張りがあれば勝てただけに残念である。 しかし、勝った負けた関係なしに、ゲームの内容としては、時間をかけただけあって、普段のゲームより面白いものになったと思う。 後で検討しがいもある。 90分30秒の時間をとることは難しいが、またやってみたいと思った。

 対戦相手は60歳のおじいさんだった。 最後のクイーンエンドゲームでは、お互い残り1分になるぐらいまでプレイ。 ゲーム中は、4時間もやっておいてどれだけスタミナあるんだ・・・早く投了してくれよ・・・というケチな考えが浮かんだが、楽しめた。


2012年6月9日土曜日

ストラテジー本サマザマ

1.Winning Chess Strategy for Kids
 ストラテジーの勉強は後にしよう!なんて言っておいて、ちびちびと読んでいたWinning chess strategy for Kidsという本を読んだ。 題名の通り子供向けの本だ。子供向けといっても、「はい、これはポーンです!  はい!一緒に ポン!ポン!ポーン!」というようなリアル5歳以下向けとかではなく、いきなり結構考えさせるポーンエンディングがビシバシでてきたり、簡単ということはなかった。 

 最初はこんな子供向けの本はさっさと終わらせたいと思っていたが、読んでみるとそれなりに勉強になった。学習したポジション・ゲームは、全てchessbaseでデータ化したので、後でも復習できる。この本は、Dan Heismanのページでやたらと推薦されていたので買ったが、確かに「初めて」のストラテジー本としてはちょうど良いと思う。  また別の機会にもう少し詳しく紹介するかもしれない。

2.Back to Basics : Strategy
 WCSFKも読み終えたので、先日からValeri Beimの Back to Basics : Strategyを読み始めた。 これがスーパー面白い。 この本も題名通り基本的なストラテジーの要素について述べている。スタイルとしては、各テーマにつき、テーマに関連する象徴的なゲームの棋譜を紹介するというものだ。 選ばれているゲームが非常に魅力的で、ああチェスってこういうものなんだ、と思える。
 「ブランダーシナイ!ブランダーシナイ!ミスハダメ!ミスハダメ! ・・・ ア、ブランダーシテシマッタ! シューリョー! フザケンナ!! リザイン!!! ピー・・・」なんてチェスばかりしていると、さすがに嫌になってくる。 必要なこととはわかっているが、段々と、魚の小骨をとっているような気持ちになってくるのだ。

 最初の章が「展開」について述べられているが、ピースの力を集約して徐々に力を増幅させ、溜まりに溜まったところでぶっ放す妙技の数々が披露されている。テンカイテンカイと聞くが、こうやって実例を見ると、テンカイッテタイセツダナ・・・としみじみ思う。  アリョーヒンか誰かの棋譜を見たプレイヤーが、「アリョーヒンがやっているコンビネーションは私でも読める。しかし、私はそんなポジションまでもっていけない。」というようなコメントを残していたようないないような気がするが、タクティクスにしてもコンビネーションにしても、駒の協調性・ボードの支配そういった好条件が積み重ねられれば積み重ねられるほど発生可能性も増えるわけで、ただ待っているだけでは機会は訪れにくい。 それはわかっていてもなかなかできないものだ。 しかし、超人プレイヤーたちのプレイを見てハイクラスなチェスの世界を垣間見ると、やっぱりチェスって楽しい、と思わせてくれる。


3.音楽とチェス
 名譜を見ていると、上手くなればなるほど、自分の手を自らの意思に基づいた論理にしたがって打てるようになるのかもしれないという印象を受ける。 楽器でも最初は、ドレミファソラシドを弾くのすら難しいが、慣れれば段々と楽器が自分の身体に一体化し、自分の意思を音に伝えることができる。技術という形式があってはじめて自己表現が可能になる。形式が難解で強固であればあるほど、技術の乏しい表現は「表現」と呼ぶに値しない。技術の壁に阻まれて自己の意思を表現することができないからだ。ピアノを初めたての人がベートーヴェンのハンマークラヴィーア(Hammerklavier)を弾いて、自己表現なんて言っても馬鹿らしいだけだ。

 チェスと音楽を同列に語ることはできないが、チェスでも基礎的な技術を身につけ、チェスの論理を体得することができれば、「プラン」を通じて手に自己の意思を表し、「自分のチェス」ができるあがるのか。 この段階で初めて、短絡的に性格に依存するようなものではない、真の自分の「スタイル」が生まれるのかもしれない。


2012年6月8日金曜日

4545League

ICCでロングゲームをするとき、最近はコンピューターとばかりやっている。しかし、やればやるほど、面白くない。やはり、コンピューターと対戦しても、あまり緊張感が持てず、負けてもさほど悔しくもなければ、勝った喜びも大きくない。

 対人戦がしたいと思うが、相手もあまり見つからない。 それならばということで、ロングゲームのトーナメントに参加しようかと思っている。 有名所では、Team 45 45 Leagueが45m45sのロングゲームを開催している。 一週間に一回ロングゲームを行うことでトーナメント形式でプレイできるようだ。 ただ、時差の問題から時間を調整するのが難しそうだ。
  他にもICC主催のStandard Time Tourneyという月毎の60mのトーナメントもある(このトーナメントで勝つと、メンバーシップの延長などの特典がある。)。こちらは、時間帯を3つに分けてくれているので参加しやすいかもしれない。  時間をうまく調整できるようならば、こういったトーナメントに参加してみても良いかもしれない。 

 面倒くさいが、4545leagueのHandbookを読んでどんな感じで進むのか見てみる。

2012年6月6日水曜日

苦手なオープニングと対策

さすがにある程度のゲームをこなしてくると自分にとって苦手なオープニング・苦手意識がないオープニングがわかってくる。  苦手というのは、当該オープニングをプレイしているときにどんな手を打てば良いかわからないことが頻繁にあるという意味で、反対に、苦手意識がないというのは、ある程度「この手かな」という目星がつきやすい、という程度の意味だ。

 このような差が生まれるのは、無意識的にであれオープニングの背後にあるアイデア・ストラテジーの理解・感覚の程度に差があるからだと考えられる。 そうだとすると、オープニングのアイデア、当該オープニング固有の典型的なストラテジーを理解することは重要だ。 オープニングの背後にあるものを理解すれば、ある程度自分の打つべき手の検討もつきやすくなると思うからだ。 

 具体的に私が苦手なオープニングは、フレンチとキングズ・ギャンビットだ。 いずれに対しても勝率が著しく低い。特にキングズ・ギャンビットは、間違った手を打ったら即死してしまうことも多く、実際、多くの場合即死している。 フレンチに対しては、いろいろ試みたがやはり苦手である。 この数ヶ月は、フレンチに対してはKing's Indian AttackのQe2のバリエーションを使っていた。統計上(GMレベルでも)勝率が異常に高いというケチな理由で選んだ。 他にも、しばらくは、シシリアンに対してはRossolimo Attack, Moscow Variaiton, King's Indian Attack'(...e6と来た場合)というサブラインを用いていた。

 しかし、How to build your opening repertoireを読んでから、ケチな考えでサブラインを選ぶよりも、メインラインを選んだ方が、後々の成長のことも考えて良いだろうなと思ってきた。 基本的にメインラインの方がポジションが豊かで、また分岐も多いためレパートリーの変更もしやすい。 そして、何より、情報源が多いから学びやすい。

 では、苦手なオープニングがあるとして、どのように対策を講ずべきか。 前述のとおりオープニングのアイデア・ストラテジーを優先して学ぶべきとすれば、それはどのように学習すべきか。

 例えば、前述のHow to build an opening repertoireは、特定のオープニングが得意になるために、当該オープニングから発生するミドルゲームでしっかりと打てるようにならなければならないと指摘する。 その具体的な方法として、当該オープニングのエキスパートと称されているプレイヤーのゲームを学習することを挙げるできれば注釈付のもの) 。 特に、ミドルゲームにおいてどのような打ち方をしているのかに意識すべき、とする。 このように、マスターのゲームを通じてオープニングの感触を掴むという学習方法は、多くのプレイヤーが主張していることなので、やはり重要なのだろう。

 また、慣れと経験も当たり前だが重要だ。実際、フレンチにしてもKGにしても、プレイした回数が少ない。単純に経験が少ないから「苦手」なのだ。オープニングの感触もわからず、見当違いの手を打ってしまう。 しかし、慣れと経験といっても、これを達成するのはなかなか難しいし、時間がかかる。相手に「今日は俺の練習に付き合って、フレンチを打て」なんていうこともできない。 スパーリング・パートナーのように定期的にプレイする相手を見つけるのも難しい(こういうことをするためにクラブは有用なのだろう)。 そうなると、ソフトを相手とすることが候補に上がる。 Fritzには、コンピューターのレーティングを設定して対戦できる機能がある。 幸い特定のオープニングをスタート地点として対戦もできる。これによって練習するというのもありかもしれない。 効果があるかわからないが、しばらく試しにやってみたい。

 最後に、オープニングのアイデア・ストラテジーについてもしっかりと述べたオープニング本を参照するのも良いと思う。 例えば、Mastering the Spanish, Mastering the Frenchなんかは、オープニングのアイデア・ストラテジーに特化して述べており非常に良さそうだ。 他にも、私が参照したものとしては、Queen's Gambit Declinedも詳しくアイデア・ストラテジーについて述べられていて参考になりそうだ。  総合的なものとしては、FCOも評判が良いし、実際に読んでもわかりやすい。




先日、友人と京都観光をした。京都に住んでいても、あえて清水や金閣といった観光名所に行くことはない。 よくある散歩コースだが、三十三間堂・清水・高台寺・祇園というルートでひたすら歩いた。

2012年6月3日日曜日

Theoretically a win

エンドゲームの本の最初の方で、K+B+N VS Kのメイト方法について述べられていることがある。このメイトは難しく、Jeremy Silmanのエンドゲーム本においては、「こんなの滅多に起こらないから省略!俺も人生の中で一回しか出会ったことがありません。」などと書かれており、省略されている。

 そんなエンドゲームに今日はじめて遭遇した。 結果としては、メイトできず50手ルールに引っかかってしまいドロー。 隅に追い詰めなければメイトできないということは知っていたが、別色の隅に追い詰めていたようだ。  
 試合後には「こういう基礎的なメイトはしっかり学習しておくべきだよ、君。俺はこれのメイトのやり方を知ってるし、守り方を知ってる。やっぱり基礎は大切だよ。」なんていう、相手の満面のドヤ顔が想像できてしまうコメントも頂いた。





 この曲のピアノアレンジですごく好きなものがあるが(「Celtic Rhapsody: Piano Classics From Ireland」というアルバムに収録)、Youtubeにはなかった。

自分のゲームの見直し

ロングゲームをするようになってから、かなり入念に自分のゲームの見直しをするようになった。 特に負け試合。ゲームの見直しの方法はいくつか方法があるだろう。私の場合は、以下のように行なっている。

①ソフトなしで、負けの分岐点を探し出し、どのようにすべきであったか確認
②ソフトを用いて全体の細かいところの粗探し。
③それぞれのミスについて、なぜそのようなミスを犯したのか検討。
④③のミスを一般化し、その問題点をどのように改善すればよいか検討。

 以上のように検討を行うとそれなりに時間がかかる。しかし、得られるところも大きい。自分のミスを通じて、何が、なぜ、ダメで、どのように改善すべきかということが考えられる。こうやって、自分の弱点をあぶりだす。ミスの原因を考えそれを一般化できれば、改善策も思いつく。 継続して続ければ、自分の問題点がより明らかになるだろう。

 分析用ソフトには、Fritz13をソフトウェアとして用い、エンジンはHoudiniを使っている。 以前はデフォルトのFritz13を使っていたが、試しにHoudiniとFritz13を対戦させたら、12戦12勝でHoudiniが圧勝してしまったのを見てからHoudioniを使っている。ちなみに、Houdiniが現状では最強のチェスソフトのようだ。当然、Fritzとは指し手も異なることが非常に多い。Houdini 1.5aのエンジンは無料でダウンロードできる。
 
 ゲームの分析の際しては、ゲームの冒頭にこのゲームから学んだことを見出しとして書き、それぞれの手に対してコメントを付す。これで自分のゲームのannotated gamesとして保存することができる。但し、Fritz、というよりChessbase社の製品は日本語対応していないので(日本語だと文字化けを起こす)、コメントは英語で書くしかない。

2012年5月31日木曜日

Ruy Lopez 二連発

今日は暇だったので、ロングゲームを二回した。 やはりロングゲームの方がBlitz, Bullet, 15mといった短い時間のゲームより圧倒的に面白い。 

 コーチとレッスンを始めてからは自分のゲームの分析をすることになっているので、ブリッツや15mのゲームをもっていって分析をしてもあまり意味がない。 したがって、分析するためのロングゲームを用意するための意味もあった。 また、勝ったゲームを一緒に分析してもあまり意味はないだろうから、負け試合をもっていこうとレーティングの高い相手と二戦。結果は、1勝1敗。片方はコンピューターで、片方は対人。コンピューターとの試合は、途中まで勝っていたが、結局負けた。それも、勝勢になった途端に集中力が完全消滅して、避けなければならないと思っていたBlunder連発。
 エンドゲームの練習も兼ねて続ければよかったが、もはや脳HPがゼロだったのでリザイン。 とはいえ、正直な感想としては、レーティング1700のコンピューターでも普通に戦えるということに驚く。15mなら勝てないだろうけれど、ロングゲームでしっかりと考えてやれば戦える。

 集中力が切れたというのは単なる言い訳だが、ロングゲームをやっていると、集中力を維持することも大切だと感じた。 感想としては、集中力を維持し、かつ、とりあえずBlunderをしないということを意識するだけで、相当にマシなゲームができるのではないか。

 偶然、二戦ともRuy Lopez(黒番)となった。 私は、白なら1.e4、黒なら1...e5しかやらないので、Ruy Lopezのメインラインはなんだかんだで十数手ぐらい手を覚えてしまったが、 Closed Ruy Lopezから続く局面は個人的に好きだ。 私のような素人が言っても説得力がないが、ポジションが豊かというか、考えていて面白いような局面が多い。 今回のゲームでは、片方がChigorin Defence、もう一方がBreyer Defenceになった。 いつも、Chigorinばかりなので、はじめて、Breyerをやってみたが、こっちの方がやりやすいような気がする。





2012年5月30日水曜日

ミスを減らすために 2

1.ミスを減らそう 2
 前回の記事でダラダラと書いたが、結局、Blunderを極力減らすということが現状で最も必要なことだと思う。そして、そのためにミスをしないための思考方法を確立する。ただ、どういったやり方でも、意識して考えてプレイすると結構時間がかかる。 結局、ロングゲームをすべきということになるのだろう。
 Dan Heismanの記事か何かに書かれていたが、上級者になればなるほどミスをしないためのチェックの時間が減少していくらしい。そして、相対的に、candidate movesから自らの手を選ぶための時間が増加するらしい。 おそらく、ミスをしないための努力は最初は時間がかかるが、次第に慣れによってそれほど労力と時間をかけずに済んでいくことになるのだろう。
 Blunderをしないということに慣れてきたら、より本格的にストラテジーの学習などを取り入れたら効果があるのだと思う。 壮大なプランを立て、長期的戦略を立てたとしても、blunder一つで全て無駄になる。そういったことについて考えるのは、注意ミスによるblunderをほとんどしなくなった段階で学習することで十分なのだろう。
 したがって、しばらくは、継続してblunderをしないということを中心的な課題としていきたい。

2.ロングゲームの楽しみ
 先日と今日、試しに45m45sでICCでプレイした。相手が全く見つからなかったので、コンピューターと対戦。
 ロングゲームをやると、より入念に考えることができて面白い。 何より、Candidate Movesというものの意味を、ロングゲームをするようになってやっとわかったような気がする。 というのも、15mぐらいのゲームだとそれほど時間がないので、候補手を比較検討して選ぶという作業をほとんどしなかった。それに対して、ロングゲームだと時間があるから、 Blunderをしないかチェック → タクティクスがないかチェック → candidate movesの選定、という作業を行なっていても時間がなくならない。
継続してロングゲームを続けたい。




※作りたてのアカウントなので、レーティングは仮レーティング。 勝勢になってからは、大分適当にプレイ。

2012年5月29日火曜日

ミスを減らすために 1

chess.comでStandard 15m10sをやっていると、レーティングが1450ぐらいまでは頻繁に行くが、それ以上は伸びない。結局、1400~1450あたりをさまよっている。 レーティングもうまくできているものだと思う。 振れ幅としてある程度はいったりきたりしても、自分の実力の限界あたりまで来たらそれ以上は上昇しない(偶然によって瞬間的に上昇する場合もたまにあるが)。 そして、「君はこのレーティングあたりの連中と同じぐらいの実力です」と宣告されているかのように、ある程度のレーティングで落ち着く。

 私の場合でいえば、「お前は1400ぐらい」とchess.comに宣告されて、1400付近の実力ということなのだろう。 とはいえ、1400付近でそのまま何の上達もなくそこで終了というのも嫌である。できれば、早くこのレーティングレンジからおさらばしたいものである。 そのためには、何が私を1400程度にたらしめているのかということを理解する必要がある。そして、あわよくばそれを改善できれば良い。

 自分のゲームの棋譜をFritzにぶちこんで一番最初に気付くことは、ほぼ全てのゲームがBlunderによって終了しているということだ。Blunderとは、あえて定義したら、駒落ちしてしまう手を打ってしまうこと、となるかもしれない。 駒落ちする場合とは、タダ取りされる手を打つ、相手のタクティクス・コンビネーションに気づかずそれを実行されてしまう(タクティクスの結果としてタダ取りされる)、という二通りがあるだろう。

 そして、結局1400程度にとどまっている理由というのは、毎回のゲームで何らの反省もなく「うっかりミス」という名のBlunderをしまくっているという点にあると思う。 ストラテジーの知識が乏しいということは、副次的要因であっても、主要因ではない。

 したがって、一番最初の方の記事でも書いたが、とにかくBlunderを減らせば、だいぶマシになるということは確実だ。 では、どうすればBlunderを減らせるか。 はじめてレッスンを受けたウクライナIMに聞いたら「集中しろ!」なんて言われたが、集中しろと言われても、初心者には何に集中したら良いのかわからない(わからなかった)。

 それからいろいろ調べたが、ミス(blunder)をいかに減らすかという点については、いくつかの本に記述がある。 具体的には、Secrets of a GrandpatzerA guide to Chess ImprovementThe Search for Chess Perfectionが参考になった。(Purdyの本は、amazonでは高いが、たまにネットの古本屋で安いものが存在する。運が良ければ、安く買える。Bookfinder等の横断検索を使えば良いかもしれない。)

 結局、いずれの本においても述べられていることは、ミスをしないためにはそのための思考方法を確立する必要があるということだ。思考方法が自分の中で確立していれば、何に注目し・集中すれば良いのかが明らかになる。

参考までに、それぞれの本に書いてあることを要約すると以下のようになる。 

(1)Secrets of a Grandpatzer - Kenneth Markcolby
 自分の手番においてまず最初に考えるべきことは「相手が与えている脅威(threat)は何か」ということを確認することである。 具体的には、以下のように行う。

 まず、自分の手番において、自分ではなくあたかも相手の手番であるかのように考える。そして、仮に現在相手の手番であれば、どのような手を打ち、どのような脅威を与えることができるか確認する その際、チェック、キャプチャー、フォーク、ディスカバードアタック、スキュアー…等のタクティクス・コンビネーションが発生する可能性がある手は入念にチェックする。
 
 以上の検討を前提に、脅威が存在するのであれば、次に、その脅威にどのように対処すべきかということを考える。すぐに守る手を考えてはいけない。一見脅威に見えても、無視できること、あるいは、こちらからカウンターアタックを仕掛けれられる可能性があるからだ。
 当該脅威に対する対処方法を考えた後に、手の検討を行う。 もっとも、最終的に自らが打つ手を選択しても、すぐに打ってはいけない。 その手によって新たな自分にとっての脅威が生まれないか、blunderとならないかを上記手順と同様に入念にチェックする。 そして、はじめて手を打つべきである。

 以上のように、この本においては、脅威は何か、というチェックを二段階にわける。 ①現ポジションにおける脅威の確認②手を打った後の局面における脅威の確認、というように。また、自分の手番であっても、相手の手番であるかのように考えるという点において、ミス削減を徹底する。

(2)A guide to chess improvement - Dan Heisman
こちらの本では、ミスを失くすというよりも、より広く手の選択方法について述べられている。これについては、以前まとめたので、それをそのまま貼り付ける(自分用に書いたのでわかりにくいが)。


    相手の脅威の確認。特に、forcing movesの検討。
    相手のとりうるプランの確認。 自分のプランの確認。
    無条件にforcing movesはまず最初に全て検討。
    ③でタクティクス等がなければ、自分のプランを達成させる手を「全て」チェック。なければ、相手のプランを阻害する手を全てチェック。(Initial Candidate Moves)
    ④における手を、安全か(blunderに至らないか)どうかという観点から、剪定する。
    ⑤において残った手の中から、最終ポジションの比較によって最も優れているものを選ぶ。(Final Candidate Moves)


 (1)と似たようなものである。 ただ、candidate moves(候補手)の選択方法については、示唆的な記述があった。 すなわち、candidate movesをリストアップして、比較し最終的に手を選択する場合、何を比較するのかという点である。 candidate movesの比較といえば、"moves"とあることから、手そのものを比較検討すべきであるかのように思える。しかし、検討すべきは、当該candidate movesから最終的に至るポジションであるということを強調する。 
 当たり前の話といえば当たり前の話だ。しかし、なるほどと思わされた。手そのものを比較しても、何も見えてこない。 そして、逆に言えば、ポジションを評価してそれを比較するというのであれば、ポジションを正確に評価(evaluation)する能力が必要となる。 各候補手から至るポジションを評価し、それを比較する。 この作業を自信をもっておこなえるようになるには、ポジショナル・ストラテジーに関する豊富な知識が必要だろう。 そもそもそういった知識を欠いていれば、ポジションを評価するという行為自体ができないからだ。


(3)The Search for Chess Perfection - C.J.S. Purdy
 これについても、先日まとめたので、そのまま貼り付け。 なお、Purdyは自らのミスを減らすための思考方法にを"The System"と称している。


      指すべきことが明らかな手はないか?(キャプチャー等)
      手が極端に絞られており、そもそもシステムを用いる必要がないか検討。
→①・②の場合は、以下の手順を検討するのは時間の無駄。
      脅威は何か?(複数個ありうる) また、相手の手は局面に何をもたらしたのか?
      どちらが優位にあるのか?そして、どの点において優位性が存在するのか?
→⑤へ
      調査(reconnaissance)を行う(ポジショナル・ファクターの検討)
      コンビネーション(タクティクス)はないか? forcing movesは全て検討する。
      コンビネーションが存在しない場合、プランを立てる。
      Candidate Movesの検討



 まあ、結局(1)(2)とあまり変わらない。ただ、書き方としては、上記2つの本よりもこの本が一番わかりやすい。Heismanの本も、この本を真似してるんじゃないかと思うぐらい、似たような記述が多い。









なるほどなるほど・・・わかったからとっとと金よこせ!

結局2ヶ月ぐらいしか関係がなかったフィリピン人チェスコーチと連絡をとった。

ひさしぶり
「hi!
タクヤです。元気にしてますか。一段落したからレッスンを再開しようと思ってるんだ。今度はある程度長期間のレッスン受講しようと思ってるから、前みたいにちょっとぐらいディスカウントしてちょうだい。 振込みはしばらくしたらしようと思っているけど、先にどんな感じのディスカウントになるか条件教えたまえ。」

Re:ひさしぶり
「おっす!
元気にしてたかい。じゃあ、ディスカウントは、20回のレッスン料振込みで一回レッスンがフリーということでどうだい? あと、振込みは早くした方がいいよ。早く振り込んだらレッスンも早くできるからね。 だから、明日振込みに行こう! God Bless you」

Re Re:ひさしぶり
「元気そうで何より。
それより、ディスカウント前よりしょぼくね? 確か、前は10回で一回フリーだったと思うんだけど。実際、いきなり20回分のレッスン料を払うのもきついし・・前みたいに10回+1回というディスカウントでいくのが合理的でしょう!それでいいなら早いうちに振込むぜ!」

Re Re Re: ひさしぶり
「いやー、あのディスカウントは、初回だからサービスなんだよね。実際、僕の生徒には、前回提示した条件でやっているわけで、君だけそのディスカウントするのは不公平感があるよ。だから、10回+1回はきついわ。まあ、そこまで言うなら、11回+1回でどうだい? それならお互いにとって良いでしょう!
 というか、さっさと振り込もう! 明日Western Union(海外送金会社)に行って振り込もう! 明日振り込んだら今週にでもレッスンはじめられるよ! だから、明日振り込もう!明日振り込め! God Bless you!!!」


 20+1が基準で、10+1はダメで11+1はOKとよくわからないが、結局その条件でレッスンを再開することにした。 このコーチは、教え方も丁寧だし、質問したことはちゃんと答えてくれる。 ただ、行くって言っているのに、笑えてくるぐらい毎回振込催促が激しい。

 レッスンでは、タクティクスなんかをやってもしょうがないので(一人でできるから)、コーチとでなければできないことをやりたいと思う。 具体的には、自分のゲームの共同検討と特定のポジションからスタートしての指導対局をやりたいと考えている(これについては、以前に、自分から提案した)。 指導対局では、特に自分では矯正が難しい思考過程の検証をしてもらいたいと思っている。
 チェスレッスンについて紹介したブログは少なそうなので、レッスンがあればその度にどんな感じで進行していくのか紹介してみたいと思う。



2012年5月28日月曜日

Good Luck親父

ICCのアカウントが期限切れとなっていたため、新しくICCアカウントを作成した。15分ゲームを二回ほどやったが、謎のインド人に出くわした。 

イ「やあ」
私「やあ」
イ「Good Luck!!」

無視

イ「君のターンだぞ」
私「知ってる」
イ「名前は?」
私「タクヤ。あなたは?」
イ「ジェフ。 カリフォルニア生まれ、インド在住の58歳だ。昔は歯医者だった。」
私「なんでインドにいるんですか?」
イ「神を探すため」
私「神?神父か何かですか?」
イ「違う。俺は似非科学者だ。」
私「似非科学者? 何ですかそれは?」
イ「似非科学者だ。Good Luck!」
私「変わってますね」
イ「何が?俺がか?それとも神が?」
私「いや、昔はアメリカで歯医者をやっていて、今はインドで神を探している。 かといって、神父ではなく、似非科学者。 興味深いなと思って」
イ「よく言われるよ。Good Luck!」
私「インドに行って、探しているものは見つかったんですか?」
イ「見つかったよ・・・ Good Luck!」

無言

イ「gg Good Luck!!」
私「gg」

2012年5月27日日曜日

つれづれ

1.危うく・・・  
先日、友人とOTBでチェスをやった。前からチェスしろよと薦めまくっていたが、結局ルールを覚えたぐらいであまりやっていなかったようだ。 時間制限なしで3戦、私が黒持ちで一応全勝したが(当たり前だ!)、特に最後のゲームは負けるところだった。ルールを知っているぐらいなので、圧勝だろうと思っていただけに危なかった。 聞いてみると将棋をやっていたらしい。 私は将棋の経験はほぼゼロに等しいが、将棋をやっているとこんなに違うものなのかと驚いた。 いやー危なかった。

2.ロングゲーム
先日、ブログで相互リンクを貼らせてもらっている紙吹雪さんと対局した。 60分30秒。さすがにこれだけ長いと考える時間が多いから普段は読み諦めるようなところでも最後まで考えることができて、満足にプレイできる。棋譜の紹介は、紹介されるということなので、こちらではしないが、また今度やりましょうということになったので楽しみだ。

3.暴言チャット
chess.comではあまりないが、たまに暴言を吐くプレイヤーに出くわす。
だいぶ前に負けたゲームで、オーストラリア人の馬鹿に「おい悔しいか、ジャップ。お前は馬鹿なジャップだから負けても仕方ないよな。ジャップジャップ。」なんて言われた。(今までネット上でろくなオーストラリア人に出会ったことがない。) 最近は、暴言チャットも無視するようにしていたが、さすがにこれにはふざけんな!とむかついた。
うるせーこのオージー・ビーフが、お前はクジラと心中してろ、などと返し、結局底辺もいいとこの肥溜めレベルの言い争いが続いてしまった。しかし、さすがにこういうことをやっていると自分のレベルも下がる。

一般的に、暴言プレイヤーは無視すべきとされるし、私も無視するようにしている。しかし、上記のような馬鹿にしたコメントだと、黙っているのも癪に障る。 かといって、こういったレベルの低い言い争いをするのもアレである。

人によって対応は様々なようだ。一番多く見受けられるのが、プロフィール欄のNoteにコメントを書くというものだ。
「こいつは、負けた途端放置した臆病者だ」
「俺ともう一回やるのが怖いのか。逃げるな!」
こういった熱い内容が一番多い。 しかし、そういうファイティング・スピリットに溢れたコメントもなんだか鼻息荒くいただけない。

こんなのもあった。
「人生にはいろいろなことがある。ときにはイラつくこともあるだろう。それはわかる。けどな、マイケル(適当)、チャットで罵るのはちょっと違う んじゃないか。 君はもう30歳だ。年を考えなさい。君がしたことは私に対して失礼だし、君は謝るべきだ。」 ある意味正攻法だが、ねちっこくてなんか嫌だ。

そんなこんなで先日も暴言プレイヤーに出くわした。 アラブ系だったか何人かは忘れた。
状況としては、P+K vs Kで、私が攻撃側の状況だった。しかし、ルークポーンだったので、2手先ぐらいで明らかにドローだった。 そこで、ドローオファーをしたら、拒否された。 「これステールメートだろ?」とすると、「俺は絶対にドローしない」ときた。 からかってみようと「あんた無駄に負けん気強いな。実際無駄だけど。」としたら、「ミドルゲームでまともに勝てない馬鹿は黙ってろ」なんて言われた。

別に怒ってもいなかったが、もう少しからかってやろうと「あんたは何と戦ってるんだ。そうカリカリすんな。牛乳でも飲めよ。」とすると、 なぜか逆鱗に触れてブチ切れ大爆発。暴言をまきちらし、何やら暴れまわっていた。 今度は放置したが。

ということで、その対戦相手のNoteに書き込んでみることにした。
「彼は決して諦めない! 二手先がステールメートであろうとも、彼は絶対にドローを受け入れない! キング一人でも彼は戦う! 男の中の男! 現 代のスパルタ戦士!彼はチャットでも私に戦いを挑んだ! なんてファイティング・スピリットだ!chess.comよ、彼のスピリットを評して彼にフルメンバーシッ プを与えてくれ!」(意訳)

そして、すかさずユーザーをブロック。ブロックすると、相手は私のNoteに書き込めないし、メッセージも送れなくなる。 これで長続きしない。  言いっぱなし。

すがすがしく対局を終えた。

いやー、レベルの低い世界で生きてるな!!!!!!!!!

2012年5月23日水曜日

Every russian schoolboy knows

昔からロシア人、ロシアの文化(音楽・文学)には惹かれるところがあった。共産主義・社会主義という文脈ではなく、ロシア・ロシア人の不合理さというものに興味がずっとあった。ロシアをもっと知りたいと思う一番のきっかけはドストエフスキーだと思う。高校生のころに、ドストエフスキーにはまりこんだ。よりによって、「悪霊」という強烈な作品がはじめて読んだ作品だった。 ドストエフスキーのおかげで(せいで)、ロシア人は不合理な連中だという印象が根付き、同時に欧米にはない不思議な魅力を感じた。音楽でも、神秘主義なんていう怪しげな思想にとり憑かれたスクリャービンの音楽も、思想に興味はなくとも高校~大学時代には相当はまりこんだ。

 そんなこんなでロシアには愛着というか妙に惹かれるところがあった(好きというわけでもないが)。 以前のような音楽や文学に対する熱中も薄れ、ロシアとの関わりもだいぶ希薄になってきていた。しかし、チェスをするようになって、またロシア人がちらほら目につく。実際、ロシアはチェスでは世界一のようだ。
 ロシアが世界一の分野なんてそうそうなく、なぜチェスでこれほど強くなったのかということは興味がある。ロシア人の伝説的なプレイヤーといえば、ボトヴィニク、タリ、ペトロシアン、カスパロフ、カルポフなどが思い浮かぶ、なぜこうも世界チャンピオンがロシアという国から出てきたのか。 
 標題は、ICCにあるAlex Yermolinskyのビデオ講座の名前だ。 ロシアでは、ソヴィエト時代を通じて、Russian Schoolというチェスの一派が形成されたようだ。 ボトヴィニクがその形を整えたというレベルの知識はあるが、それ以上は知らない。
 幸い、Russian Schoolとは何だったのかということについて述べている本もいくつか存在するようだ。一番大部なものとしては、Andrew SoltisのSoviet Chessという本がある。他にも、Genna Sosonkoによる一連の作品(Russian Silhouettes等)がある。Soviet Chessはハードカバーでかなり高い本だが、読んでみたい。

 チェスも他の多くのボードゲームと同じで歴史も長い。特に、チェスの場合、関わった人間が他のゲームに比べて圧倒的に多いだろう。その過程での人々との関わり、チェスがどのようにとらえられたのか、そういったことにも興味がある。単純な好奇心として、そういったチェスの一面も学んでみたい。


2012年5月21日月曜日

ポルガー二号


 ポルガー姉妹は、三人とも超優秀なチェスプレイヤーになったことで有名だ。
三女のJuditに至っては、女性唯一のレーティング2700超えという怪物級の記録を残している。なぜ彼女らが成功したかといえば、ポルガー親父に英才教育を施されたからだ。



ポルガー姉妹。左から、Susan, Sofia, Judit

ポルガー父・母


 彼は、「天才はつくられる」という持論の熱烈な信奉者だった。その熱狂ぶりとしては、子供を授かる前から「天才を育てよう!」なんていう本を出版しているほどだ。

 そんな彼としては、自らの理論を机上の空論で終わらせたくはない。自分の説を検証したい。彼は、彼の「実験」に付き合ってくれる女性を探した。そして、見つかった妻との間にできたのがポルガー姉妹だ。

 結局、ポルガー親父の実験は大成功に終わったのだが、失敗したら悲惨だっただろう。チェスだけで食っていくなんてことはスーパーエリートになるか、優秀なトレーナーにでもならない限り無理だ。しかもその実現可能性は低い。
 Juditは5歳ぐらいで既に強かったということだから、おそらく1歳とか2歳ぐらいから教育をはじめていたのだろう。しかし、そんなチェス漬けにされたら情操教育上よくなさそうだ。(ポルガー親父のことだから、胎内教育でa1は黒!とかVisualizationの教育などしてそうで怖い。)

 周りが普通のこどもの遊びをしている中、親父との暑苦しいエンドレス・チェス・レッスンなぞよく耐えられたものだと思う。


「わたし、チェスなんてもうやだ・・・」
「ポジション13! これはシシリアン・ナイドルフで・・・」
「チェスなんていやだ!!!」
「お前はGMになりたくないのか!! お父さんはもう教えないぞ!」
「(泣きながら)なりたい・・・ 教えてください!」
「じゃあ、ポジション13!!! これはシシリアン・ナイドルフで・・・」


 なんて汗臭い日常の一コマもあったのだろうか。それとも、案外ポルガー親父は自ら自負するように教育方法に関しては卓越で、三姉妹とも純粋にチェスが好きになれたのかもしれない。

 ウクライナなど旧ソ連国には、ポルガー二号となろうと失敗した親子の話が埋もれていると推測する。英才教育の成功・失敗、多くの分野でよくある話ではある。そして、旧ソ連国の場合、チェスの英才教育も盛んだから、失敗に終わったポルガー二号・三号の哀しいストーリーもたくさんあるのだろう。


たかがチェスされどチェス。チェスに人生をかける人も世界には多くいる。








アレクセイ・スルタノフ。
才能に恵まれていたピアニストであったが、彼も親の重圧に苦しんだピアニストでもある。

2012年5月19日土曜日

sometimes you just fall in love with people, and that's what happened

今日は最高に疲れた。 電車の中で死人みたいな顔だったと思う。

以下は、以前書いたまま放置していた記事。






とてつもなくどうでもいい話
 - I fell in love with her... -

 つい最近、クラムニクとアロニアンの対局があった。 アロニアンについて調べていると、むなしくなるような馬鹿らしくなるような話があった。

 アロニアンは現在ある女性IMと結婚している。 しかし、彼女と結婚する前にこんなことがあったようだ。

 イギリスのGM Gormallyもまた、その女性IMのことが好きだった。 ある大会の後、彼はアロニアンが彼女とサルサを踊っているのを発見した。 彼はそれが許せなかった。なぜなら彼は彼女を愛していたからだ(もちろん片思い)。俺のArianneに触るな!怒りに任せてアロニアンの顔面に一発。
 結局、そのニュースは知れ渡ってしまい、彼はチェスを事実上引退した。GMというタイトルを取得したにも関わらず。

なんともアレな話である。写真を見るとすごく真面目そうな男だし、彼なりに純情に恋していたんだろう(そんな年じゃないけど)。 馬鹿というか阿呆というか、全く同情はできないが、こういう無駄なところで無駄に瞬発力があるタイプはストーカーになりそうだ。恋愛経験もなさそうだ。まあ、それはどうでもいいか。

 とはいえ、現代ではインターネットがあるから世知辛い世の中になったとは思う。なにせ、彼の名前をwikipediaで参照すると、wikipediaの本文においてもこの事件について述べられている。もちろん、彼のむなしい悲痛の叫びは、wikipediaの冷たい散文調からは聞こえない(聞きたくもないけど)。
 そして、Gormally = アホ、というレッテルは一生消えない。 よりによってチェスのコミュニティは狭そうだから、いかにも小心者そうなこの男には耐えられないだろう。 仮にチェス界に残っても、意地の悪そうなイギリス人チェスプレイヤーたちのひそひそ話の格好の餌食になるだけだろう。



((Dr.John Nunnがあのファービーのようなギョロ目でヒヒヒと笑っているのを想像したら笑えた



John Nunn大先生。15歳でオックスフォード大学を1530年以来の最年少で入学したという天才。数学者でもある。当然チェスも超強い。 ルーク・ポーン・エンディングをポーンの数1~8個の場合全てについて検討した本を出すほどのパラノイアレベルの完璧主義者。髪型だけピアニストのゾルタン・コチシュに似ている。))


 インターネットの情報を完全に消すことは不可能だし、結果、こんなしょうもない事件で彼は一生負い目を感じなければならない。 それどころか全てを失った。 東大教授が痴漢をして捕まって辞職したという話が以前あったが、もっとしょうもない話で人生かけて積み上げたものを失ったわけである。

なんとも哀れな男である。



(ちなみに、Gormallyのインタビューも一応存在する。言っていることを読むと、こういうタイプって言うこと同じだなあと思う。インタビューの最後のニ行はむなしい。)

2012年5月15日火曜日

オープニングソフトさまざま

 オープニングを学習する場合、ラインを覚える必要がある。その数が膨大になると管理が大変だ。したがって、自らが学習したオープニングのラインを記録しようとするのは自然な発想だ。もちろん、ラインの記録はWordやExcelでもできる。しかし、オープニングに特化したソフトも存在するようだ。

オープニングソフトで一番有名かつ信頼が寄せられているのは、Chess Openings Wizardというソフトのようだ。エリートGMのPeter Svidlerも使っているらしい。しかし、このソフト結構高い。  もう一つ、Chess Position Trainerというものがある。このソフトは、機能制限があるが無料でも使えるようだ。また、前者のソフトよりは安い。

もっとも、今の私のレベルでは、十数手先までオープニングのラインを覚える必要性は乏しいし、あまり意味はない。今は、タクティクス・エンドゲーム・総論的なストラテジーの学習に重きを置くべきだろう。 おそらく、上達すれば、特定のオープニングから発生する典型ポジションにおけるストラテジーや、オープニングのラインの記憶といった、より各論的な学習が必要になると思う。そういったオープニングの学習がまさに必要になる段階では、こういったソフトは有用だろう。
これからゲーム後の復習に際しては、オープニングも少しは参照しようと思っている。そのときにこういったソフトを使ってみてもよいかもしれない。



2012年5月13日日曜日

チェスメイト

イタリアンのゲームが来たときには、Two Knights Defenceをするようにしている。 Two Knightsの場合、最初からforcing moveが多い手順が多いので、ある程度定跡を覚えていないとすぐに死んでしまう。

先日、15m10sのLive Standardをで、アメリカ人とプレイした。結果的には負けたが、その後チャットで話していると、また今度やろうみたいな話になった。今日chess.comにつなぐといたので、数回プレイした。ひたすらTwo Knightsのゲームをunrated blitzでやるという方式でやったが、これをやるとオープニングに慣れるから結構面白い。 練習したいオープニングがあるときは、こういうふうにブリッツでやりまくるというのも良いかもしれない。

チェスの場合こういうスパーリングパートナー的な相手を見つけるが結構難しいから、相手が見つかって良かった。 最後に、今度スローゲームもやらないかともちかけたら、ノリ気だった(最近は、チャットで話す機会がある相手には片っ端からこうやって誘いをかけている)。

インターネットでチェスをやると、不特定の相手とプレイすることになる。したがって、コミュニケーションをとることができない。 私としては、チェスだけじゃなくて、他の話もしてみたいので(もちろん、チェスの話もしたいが)、こうやって特定の相手とゲームをするというのも面白い。

2012年5月11日金曜日

エンドゲーム・・・

chess.comで15m10sで2ゲーム連続してドローだった。いずれも、負けていたけれど、最後に盛り返してなんとかドローにこじつけた。しかし、ソフトで見てみると、いずれのゲームにおいても、正確にエンドゲームをプレイできていたら、勝てたようだった。(特に2つ目は、最後に致命的なミス)
 少しずつ、まともにエンドゲームにたどり着くゲームが増えてきた。逆に言えば、エンドゲームで強くなったら、もっと良くなるのだろうと思う。当面の課題はエンドゲームだ。(チェスだけじゃないけれど・・・)
 考えてやると15m10sだと全然時間が足りない。 タイムインクリメントがあるから、10秒加算に助けられつつ、終盤で適当にプレイすることになってしまう。 しばらくしたら、時間が長いゲームを中心にやっていきたい。紙吹雪さんとも今度長い時間のゲームをやりましょうということになったので楽しみだ。長い時間のゲームをする相手を見つけるのは難しいらしいので、なおさら相手が見つかってうれしい。 長い時間のゲームをすれば、もっと「考える」という実感が味わえそうだ。


2012年5月9日水曜日

パターン認識

チェスでは、パターン認識が重要だと言われる。実際、Adriaan De Grootの実験にはじまり、マスターとアマチュアの間の最大の差の一つとしてパターン(チャンク、チャンキングなどとも呼ばれる)のストック量の違いが指摘されることが多いようだ。 実験の示すところによれば、マスターは深い手を読んでベストムーブを選ぶというよりも、より多くの手を検討し、それほど深い手まで読まずに手を選択するらしい。なぜ、それが可能かということを説明する理由として、パターン認識能力が挙げられた。

パターン認識というのは、チェスに限った特別なものではない。およそ習熟を必要とする分野においては、共通の学習過程だと思う。パターン認識の肝は、思考の省略可にあると思う。中学高校で習う因数分解なんて、まさにただのパターン認識だろう。 大学受験の分野で和田秀樹という人がいる。和田秀樹は、数学の学習方法としてチャート式という数学の問題集を「覚える」ことを推奨する。和田秀樹曰く、難しい問題であっても、チャート式にあるような問題に分解して考えれば、解くことができる。 和田秀樹の主張の骨子は、そういった問題のパターンを自分の中にストックすることで、類似の問題が出てきたときに、そのストックをツールとして問題を解くということにある。

私は数学はどちらかといえば好きだったので、最初はうさんくさいと思っていたが、実際やってみるとそれなりに効果はあった。 数学というと考えることが重要で、暗記なんてものとはほと遠いように思える。しかし、数学オリンピックの問題を解くならいざしらず、ふつうの大学受験程度の問題では、創造性が試させる問題はほぼない。結果、数学が苦手というのでなければ、たいていの問題はチャート式レベルの知識でも大体解けてしまう。

チェスも同じなのだと思う。例えば、エンドゲームなどその典型ではないか。詳しくは知らないが、エンドゲームにおいても、いくつかの覚えなければならない必須のパターンというものが存在する。初めてそれらの問題を見るときは、考えて解かなければならない。しかし、一度考え方を覚えてしまうと、それらはパターンとしてストックされる。したがって、同じ状況の局面が現れたときには、思考を省略してほぼ自動で解くことができる。 何かの記事で読んだが、女性GMのアレクサンドラ・コステニュークも、100 Endgames You Must Knowをフラッシュカードにして全て一瞬で解けるようにまでしたらしい。 まるで大学受験だ(和田秀樹も、カードにして覚えるという方法を推奨していた)。

こういったパターン認識は、タクティクスやエンドゲームでは強調されるが、ストラテジーの分野ではあまり聞かないように思える。しかし、ストラテジーでも同じだと思う。それの完全体のようなものとして、ポルガー姉妹の父親のLaszlo PolgarのMiddlegamesという本がある。この本は、ストラテジーだけではなく、タクティクスも含まれているようだが、なんと4000個以上のポジションが掲載されているようだ。 確か、Studying Chess Made Easyか何かに書かれていたが、ポルガー父はいつも興味深いポジションがあると思ったらそれらを保存し、娘たちに解かせていたらしい。この本はその副産物なのかもしれない。

パターン認識はその量が増えれば増えるほど、最終的には直感に結びつくのだと思う。 例えば、5000ポジションにおいて、どのポジションにおいても即座にベストムーブが選べることができるとしたら、それが実戦においてどれだけの効果をもつかは明らかだろう。

したがって、結局チェスの学習においても、パターンの数を増やそうと努力することが一番合理的な方法なのではないかと思う。 惰性で勉強すると、問題→理解という段階で学習を終えてしまう。結果、わかったつもりになってすぐに忘れる。 しかし、問題→理解→記憶を意識的に行えば、より効果があるのではないかと思う。
単なる「理解」というのは何の役にも立たない。それをほぼ自動的にできるレベルに達しなければ、自らの血肉となる知識にはならない(もちろん、逆に、理解なくして暗記することも意味がない)。野球で変化球の投げ方を理解したとしても、それを考えなくともできるようにならなければ使い物にならないのと同じだろう。

ただ、ここまでいくとチェスというより勉強になってしまう。そこまで必死にチェスをやる価値はあるのかどうかはわからない、いや、多分ないだろう。  しかし、どうせやるなら、時間が限られていても、ダラダラと惰性でやりたくはない(という願望)。

2012年5月6日日曜日

少しずつ



ついさっきのゲーム。最近のゲームでは、一番よくできたと思う。ストラテジーはほとんど勉強していないが、Seventh Rankをルークで占めることが重要であることぐらいは知っている。ゲームでは、21手目でポーンをサクリファイスしてSeventh Rankを占領することができた。以前は、こういう手は思いつかなかった。少しは成長したのかもしれない。 
また、継続して、Blunderだけはしないということは一番気をつけるようにしている。 おそらく、前ならビショップとルークをエクスチェンジした段階で安心しきって雑なプレイをしていただろうけれど、今回は最後まで気を抜かないようにプレイした。

最近は、ゲームはICCの方がよくしている。実際、Blunderをしないということを心がけてから、大分良くなった。ICCの15mでは、レーティングが一時1550ぐらいまで行った(現在は1500ぐらい)。 成長しているとするならば、素直にうれしい。 
とはいえ、私が考えているチェスの学習プランは未だ全く実行していない。プラン通りにやってみるとどれぐらい成長するのか楽しみだ。 もっとも、私は典型的な計画倒れタイプなので、環境分野のキーワードではないが、少なくとも「持続可能な発展」を望みたい。

ピアノと同じで、自分はうまくなれるかもしれない、と希望をもつと楽しくなる。 「学ぶ」ということに共通の醍醐味だろう。 チェスをする目的は、人によって様々だろうけれど、私の場合は上達の喜び、または、上達することへの期待が一番大きいかもしれない。

レーティングとチーター

1.高レーティングの信憑性
レーティングは、プレイヤ-総数の中で相対的に決まる値であるため、チェスサイトによってレーティングの基準がかなり異なる。Chess.comのStandardのレーティングを見ていると次の特徴に気づいた。レーティング2000を越したあたりから、うさんくさいプレイヤーしかいないということだ。1900以上でも十分怪しい。勝率90%なんていうありえない人が多い。また、試合数が一桁という人も非常に多い。こうなると、ある程度のレーティング以上になると、もはやレーティングの意味がなくなっているように思える。

大学受験の偏差値と同じかもしれない。レベルの低い模試だと、偏差値75以上とかになるともはや基準値としての意味がなくなるように。 したがって、Chess.comのStandardにおいては、まともにレーティングが算定されるのは、1900後半ぐらいまでと推測する。(Online chessやBlitzは、Standardに比べれば、比較的信憑性は高そうだけれど)
その点、レーティングが高いレベルにおいてもある程度信ぴょう性を保っているのはICCだろう。ICCは、Blitzだとレーティングが3000を超すなど異常高騰しているという面は確かにあるが(ナカムラヒカルの歴代最高記録は3750)、いつもIMやGMが対戦しているため、上にいっても数値はまだ意味をもっていると思われる。 特に、Standardは比較的信憑性が高いのではないか。
 ちなみに、Dan Heismanは目安として、ICC Standardのレーティング-150がUSCF/FIDEレーティングに相当するとしている。

2.チート対策
また、ICCはチーター対策が一番講じられているように思える。 チーター捕獲方法は公開されていない。しかし、この記事なんかを読むと(要約すれば、ICCでプレイ中にFritzを別目的で使っていたら、ICCスタッフからチートするなという警告文が来たという文章)、ICCは他に起動しているソフトも監視している可能性が高そうだ。実際、もし仮に、この記事の話が本当で、かつ、起動ソフトの監視まで行なっているとするならば、かなりの成功率でチーターを捕獲できるだろう。したがって、ICC自身がヘルプにおいて自信満々に述べているように、ICCはチーターの数が他のサイトより遥かに少なそうだ。

 そう考えると、強い人にとってはICCでプレイするのが一番なのだろう(上に行けば、マスタ-ともプレイできる)。 また、絶対にチーターに遭遇したくないなんて思う人はICCの方が良いのかもしれない。

2012年5月2日水曜日

CHESSBASE11の機能1


 

 CHESSBASE社のソフトは機能が多いのに使い方がわかりづらい。また、そもそも日本語に対応したソフトではないためか、エラーも多い。最新版のCHESSBASE11に至っては、解説書すら存在しない。本来なら、機能も豊富で、良いソフトなはずなのに、機能をフルに使いこなせないのが残念だ。(ただし、CHESSBASE10の解説書はCHESSBASE社から配布されている。)

 使いづらいという欠点はあるものの、いじっていると面白い機能がたくさんある。CHESSBASE11には、特定の対戦相手に対して準備をする機能がある。なかなかすごい機能で、大きなデータベースさえあれば(MEGADETBASE, BIG DETABASE等)、そのプレイヤーの公式試合のほぼ全てのゲームを閲覧することができる(最新ゲームは、The Week In Chessでダウンロードできる。CHESSBASE11には、TWICからゲームをダウンロードする機能がある。)。
 そして、そのゲームを前提に、プレイヤーの用いるオープニング、特定のオープニングに対する戦績、オープニングの使用頻度、トーナメントでの成績、レーティング推移、顔写真、といった情報につきストーカーレベルで調べることができる。 この機能は、おそらくマスター達が相手に対してオープニングの準備をするために設けられたのだろう。

 この機能自体は前から知っていたが、違う用い方もできることに気づいた。Chess.comでは、「プロフィール画面→Games→Show More(画面一番下) → ゲームタイプの選択 → Download All My Games in One PGN(画面一番下)」 という手順でchess.comでプレイした全てのゲームをプレイできる(他人のゲームも同様にダウンロード可能)。
 このままだとただのpgnファイルだが、CHESSBASEでデータベースファイル(cbh)を作成し、その中に自らのゲームを入れる(pgnファイルからコピペするだけ)。 これによって、自らのゲーム集を前提としたデータベースを作れる。 そして、もちろん、このデータベースにおいても、同様に対プレイヤー準備機能を用いることができる。
 
 そして、準備する相手として自分を選択すると、自分のゲームの傾向を見ることができる(上記ファイル参照)。これは、私が白番をもった場合のゲーム統計だ。  特定のオープニングに対する戦績、あるラインを選択する頻度、最近よく用いているオープニングのライン(hot)、などが表示される。これによって、自分がどういうラインに対して苦手なのかということがわかる。 

 まだ私のレベルでは、特定の相手に対してオープニングを準備する必要はないが、CHESSBASEはこのように様々な機能がある。使い方次第では、強力なツールになるだろう。これからも少しずつ、機能をチェックしていってみたい。

2012年5月1日火曜日

いくつかの気づいたこと

とにかくblunderだけをしないようにということだけを注意すると、かなりゲーム内容がマシになったように思える。ICCで15mのゲームを何回かやったが、調子よくできる(ICCのアカウントが期限切れとなっているので、弟のアカウントでやった)。 さすがにblunderだけはしないようにと思うとblunderの数は劇的に減る。この方法でやっているうちに、いくつか気づくことがあった。

(1)エンドゲーム学習の必要性
お互いがblunderをすると、そもそもエンドゲームに到達しにくい。私自身も、ピースが失くなったら、すぐに投了し、相手にも同じ人は多いため、中盤で終了することが多かった。しかし、ミスはあれどもblunderがなければ、エンドゲームに到達する。特に、K+PやK+Rのエンディングに到達しやすい。
こうなるとエンドゲームを学習する必要性を感じる。そして、エンドゲームにおいて強くなれば、相当自分の実力も向上することになるだろう、と思う。

(2)相手ももちろんミスをする
亀のようにblunderだけはしないと念仏のように頭で唱えていると、もちろん自分のミスは減る。そして、相手のミスにも気づきやすくなる。blunderをしないようにと考える思考過程において、相手の応手を考えるためかもしれない。一般的に、「変な手」、特に、駒を妙な場所に置く(misplace)するような手というのは、タクティクスの発生可能性が高い。(この点については、Dan Heismanの"The Seeds of Tactical Destruction"において詳しく述べられている。)
したがって、とりあえず自分はblunderをしないよう心がけ、相手がblunderをすることを待つだけでも、それなりにゲームはよくなる。ポジショナルなミスというのは、私自身にそれを追及する実力はまだないと言わざるを得ない。しかし、blunderであれば、しっかりとcalculationができたら追及できる。
Michael De La MazaがRapid Chess Improvementにおいて述べたことではないが、calculation/visualizationの力があり、タクティクスを高度の確率をもって成功させる能力があれば、ストラテジー各論の知識がほとんどなくとも、相当勝てるのだろうと思う。 もっとも、そのためには、まず自分がミスをしないことが重要だろう。

(3)諦めない
これは(2)に関連する。仮に、自分がblunderをしてしまい、相手にそれを追及されて駒落ちになったとする。それでも、ゲームを諦めるべきではない。なぜなら、(2)で述べたように、その後でも相手がblunderをする可能性は十分に高いからだ。自分が駒落ちしても、自暴自棄にならず、ひたすら亀のように待っていたら、やっぱり相手はblunderをする。そして、ドローあるいは勝つことさえできる。

(4)ディフェンスも楽しい
ディフェンスはアタックに比べればつまらないように思える。しかし、ディンフェスもなかなか楽しい。一見相手が攻めてきているように思えても、完璧にディフェンスをすれば、そもそも不完全なアタックであったということは多い。 特に、私のような初心者のレベルだと、無駄にサクリファイスをして、アタックのイニシアティブをとろうとするプレイヤーが多い。しかし、厳密なcalculationに支えられていないサクリファイスは、たいてい単なるblunderだ。
もっとも、キングが露出してしまったような場合には、相手が一定時間はイニシアティブをとりやすいのは事実だ。そういったディフェンスが難しくなる局面で守り切るというのも楽しい。かりそめの攻撃というのは、長時間は続かない。ここさえしのげれば勝てる、と思うと、ディフェンスも楽しい。

(5)時間が足りない
ある程度考えて手を打つと、15mや15m10sでは時間が全然足りないことに気づく。特にエンドゲームに至る段階においては、プレムーブ(相手の手番で手を事前に打つこと)連発なんてことになってしまう。 やはり、15分という時間は短い。もっと長い時間でゲームをする必要性を感じられるようになった。

2012年4月30日月曜日